東京・新宿から電車で２０分ほど武蔵野方面へと向かった小平霊園（東京都小平市）に、石川栄耀氏が眠るお墓があります。栄耀氏は、早稲田大学教授として後進の指導に精を出す傍ら、市民に都市計画や街づくりの大切さを訴えようと全国各地を講演で飛び回っていました。そんな講演旅行の最中だった１９５５（昭和３０）年に体調を崩し急逝。６２歳の若さでこの世を去りました。 　栄耀氏の没後５５年（５６回忌）となる２０１０（平成２２）年９月２６日、秋晴れの空が広がる中、えいよう会メンバーでお墓参りに行ってきました。栄耀氏に「えいよう会」のご報告をしつつ、賑やかに酒杯を交わそうというのが企画の趣旨です。渡邉さん、濱出さん、田嶋さん、大角さん、窪田さん、牧野の６人が参加しました。

各人がお参りした後、渡邉さんが用意していただいたお酒で献杯（素晴らしい段取りに感謝！）。午後２時半くらいだったのですが、さっそく飲み会モードに突入してしまいました。 　栄耀氏は、お酒は得意ではありませんでしたが、「建設されざる都市計画」と評して東京・目白で交流を目的とした「目白文化協会」を立ち上げるなど、集まりやイベントはお好きだったようです。半世紀以上が経過したご命日に、お孫さんをはじめ、栄耀氏を慕う面々が墓前で賑やかにしていることを、きっと喜んでいるはず−と勝手に解釈して、楽しく歓談させていただきました。 　印象的だったのは、窪田さんの「ついにお墓まで来ちゃったね」というつぶやき。いろいろな偶然の重なりから、渋谷に居合わせていた人たちのつながりが広がりました。その感謝も込めたお墓参りになりました。 　それにしても、秋の小平霊園はとても気持ちよく、「次回は芝生で本格的に宴会をしよう」という話に…。栄耀さん、すいません。来年もお邪魔させて頂きます。

皆さんで記念撮影 昼間から飲んでます

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栄耀氏のお墓は、正門から伸びる中央参道沿いにあります。興味深いのは、墓所内のつくりです。お墓の左脇には直筆の詩歌が彫り込まれた石碑があり、入り口すぐには腰掛けに加え、小便小僧（！）の像が。 　世界の美しい都市には広場と街角彫刻があり、日本にも必要だと、栄耀氏は訴えていました。「彫刻でかざられた町の美しさは、花の様に匂ひます」とロマンチックな言葉とともに、ベルギー・ブリュッセルの小便小僧を、子供たちに紹介しています。 　背景を考えると、栄耀氏が愛してやまない都市計画が凝縮された墓所なのかもしれません。